京都大学の研究力を高めるための方針と支援
総合研究推進本部は、本学の研究活動を総合的に支援し、更なる発展を目指すための指針を策定しています。研究者を取り巻く環境やニーズを的確に捉え、データ分析に基づいた効果的な支援策を展開することで、研究環境の質的向上と研究成果の最大化を推進します。
このページでは、京都大学の研究推進戦略を、研究者の皆様が最大限に能力を発揮できる研究基盤の提供と、国内外における研究競争力の強化という視点から、以下の4つの主要な柱に沿ってご紹介します。
研究推進のための研究力分析・評価とその支援
学内外の研究活動に関する客観的なデータを詳細に分析し、その結果に基づいた戦略的な改善策を提案します。
研究活動のデータ分析と評価
- 論文数、被引用数、研究のインパクト指標など、多様なデータを用いた研究成果の可視化
- KPI(Key Performance Indicator)の継続的なモニタリング
- 研究力分析データの学内共有と活用促進
国内外の研究動向調査と比較分析
- 主要大学ランキングの多角的な分析
- 国内外の卓越した研究機関とのパフォーマンスベンチマーキング
研究評価手法の高度化と新たな指標の開発
- 京都大学の特色を反映した研究評価指標(研究の多様性、独創性、萌芽性など)の開発
- 科学計量学(Scientometrics)やScience of Scienceの手法を取り入れた、より高度な研究評価アプローチの導入
- 社会課題解決への貢献度や政策提言力など、研究の社会的インパクト評価に関する検討
学内の研究環境の現状把握とニーズ分析
研究者の皆様が研究活動を行う上で直面する現状の課題やニーズを、多角的な調査・分析を通じて詳細に把握します。
- 部局との対話による分野に応じた研究環境の把握と改善支援
- 学内研究環境調査(ヒアリング・アンケート調査)の実施と分析
- 研究活動におけるボトルネックや改善点の特定
研究支援プログラムの企画・運営
前項で把握した研究環境とニーズに基づき、具体的な研究推進策を開発します。私たちはそれをRDP(Research Development Program)と呼んでいます。多様なニーズに応えるため、独自の研究推進プログラムを企画・運営します。
戦略的な学内ファンド設計と効果的な実施
総合研究推進本部で行っている学内ファンド事業は、RDPにより開発されたものです。
- 若手研究者のドイツでのネットワーク形成のための【間:AI DA】京都大学・DAADパートナーシップ・プログラム
- 科研費における種⽬のステップアップに再挑戦するための いしずえ
これまでにも、未踏領域・未科学の開拓に挑戦するプロジェクトを支援する融合チーム研究プログラム SPIRITS、次の125年に向けたビジョンを自ら描き、 その実現に向けて挑戦する研究者を自由度の高い経費で支援する、京都大学創立125周年記念ファンド くすのき・125など、様々な学内ファンドを企画・運営してきました。
グローバルな研究ネットワーク構築
京都大学では、国内外の研究者や分野を超えたネットワークを築きたい研究者に向けて、ネットワーキングの機会や共同研究を成功させるための機会と資金を提供し、国際的な研究活動を強力にサポートします。共同研究のパートナー探索から、国際的な研究プロジェクトの推進まで、様々な段階に応じた支援を行います。
- グローバルな研究ネットワーク構築 の支援について詳細をご覧ください。
若手研究者のための支援プログラムの開発
京都大学では、次世代を担う若手研究者がキャリアの基盤を確立し、世界に羽ばたくためのさまざまな支援を行っています。
- 次世代研究者のための支援について詳細をご覧ください。
研究推進を支える専門人材の育成
研究支援を強化するため、専門人材(URA等の研究マネジメント人材)の雇用や育成を通して、体制強化を図ります。
URA(University Research Administrator)の育成プログラム
京都大学では、独自に、URA育成のための研修を企画・提供しています。
2013年度からは、すべてのURAが競争的資金申請支援に必要となる広範な知識・スキルを身につけ、URA業務の基盤となる知識体系を理解するため、講義と演習を組み合わせた14科目から成るレベル1、2017年度より、プログラムリーダー向けに研究支援プログラムの企画・運営ができるようになるためのレベル2-Aを実施してきました。2022年度より、一般社団法人リサーチ・アドミニストレータースキル認定機構(CRAMS)が、本格的なURA認定制度を開始したことにより、京都大学のURA育成カリキュラムを再編成しました。
URAネットワークの構築と連携強化
RUC(Research University Consortium)への参画
研究大学コンソーシアムに参画する大学のURA間の情報交換や連携を促進し、各大学のベストプラクティスを共有することで、URAの専門性向上と大学の研究力強化を目指しています。
RA協議会(リサーチ・アドミニストレーター協議会)への参加
全国の大学等に所属するリサーチ・アドミニストレーター(RA)や研究支援に関わる人材が、情報交換、知識共有、相互研鑽を通じて、それぞれの専門性の向上と大学等における研究支援体制の発展に貢献することを目的とした全国組織です。京都大学のURAも積極的に参加し、他機関との連携を強化しています。