京都大学総合研究推進本部

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京都大学レクチャーシップアワード授賞式・記念講演会を開催しました(2026年4月16日)

2026年4月16日、京都大学百周年時計台記念館 百周年記念ホールにおいて、「京都大学レクチャーシップアワード(医学・生命科学分野)」授賞式および記念講演会を開催しました。本アワードは2025年に創設された国際学術賞であり、スポンサー企業の支援を得て実施されています。将来の学術を切り拓く卓越した研究者を顕彰し、その知見を広く共有することを目的としており、今回が初の授賞式となります。

本年度の受賞者であるプリンストン大学のクリフォード・ブラングウィン博士を京都に迎え、多くの研究者・学生が参加する中、記念すべき初回の授賞式が執り行われました。

前日イベント:若手研究者との交流

授賞式に先立ち、前日には京都大学の若手研究者・学生を対象とした交流イベントが開催されました。本イベントでは、ブラングウィン博士がこれまでの研究キャリアや着想の源について語るとともに、「良い研究課題の見つけ方」や「研究者としての進路選択」といったテーマについて、自身の経験を交えながら講演を行いました。参加者からは多くの質問が寄せられ、活発な議論が展開されるなど、次世代研究者にとって大きな刺激となる機会となりました。

若手交流会でメッセージを伝えるブラングウィン博士
若手交流会で会話を楽しむブラングウィン博士

授賞式

授賞式は、京都大学交響楽団による室内楽の演奏に続いて開会し、総長をはじめ、理事・副学長等の大学執行部および選考委員が出席のもと執り行われました。開会にあたり、湊 長博 京都大学総長より開会挨拶が行われ、本アワード創設の趣旨と意義が述べられました。続いて、選考委員長である斎藤 通紀 京都大学教授より、受賞者の紹介が行われました。

その後、北川 進 京都大学研究推進担当理事の立ち会いのもと、湊総長よりブラングウィン博士へ「京都大学レクチャーシップアワード(医学・生命科学分野 2025)」が授与されました。

京都大学交響楽団による室内楽の演奏
ブラングウィン博士への授与の様子

記念講演:液-液相分離(LLPS)が切り拓く生命科学の新展開

授賞式に続いて行われた記念講演では、斎藤 通紀 教授の司会のもと「Liquid–liquid phase separation in cell physiology and disease」をテーマに、ブラングウィン博士が講演を行いました。講演では、細胞内における分子の自己組織化の原理として液-液相分離(LLPS)が紹介され、細胞を動的かつ流動的なシステムとして捉える新しい生命観が提示されました。また、この現象が遺伝子発現制御や疾患の理解にどのように関わるかが示され、生命科学における重要性が強調されました。

斎藤教授による司会
記念講演を行うブラングウィン博士
記念講演会の様子
質問に答えるブラングウィン博士

若手研究者による発表セッション

続いて行われたセッションは、林 康紀 教授が座長を務め、京都大学の若手研究者4名が最先端の研究成果を発表しました。

  • 下林俊典 iPS細胞研究所 准教授
    Supramolecular protein block copolymers encode presynaptic active zone nanolattices
  • 細川智永 医学研究科 准教授
    Inducible Condensates Provide a Tunable Platform for Spatiotemporal Protein Integration
  • 古川亜矢子 農学研究科 准教授
    Understanding the Dynamic Structural Unit of Heterochromatin Protein 1α (HP1α) in Phase Separation
  • 山野隆志 生命科学研究科 准教授
    The Pyrenoid: A Phase-Separated CO2-Concentrating Organelle and Regulatory Hub

分子生物学から神経科学、植物科学に至るまで、相分離を軸とした京都大学内の複数分野にまたがる研究が紹介され、LLPS研究が学内で広く展開されていることが示されました。

最後に、椹木哲夫 京都大学国際担当理事より閉会挨拶が行われ、本アワードが、国際的な研究者交流のハブとして機能するとともに、次世代研究者の育成につながることへの期待が示されました。

プログラム終了後にはレセプションが開催され、受賞者、学内研究者、来賓等が一堂に会しました。レセプションでは、在大阪・神戸米国総領事館広報部長より挨拶があり、日米間の学術交流への期待が示されました。参加者はリラックスした雰囲気の中で交流を深め、今後の共同研究やネットワーク形成につながる機会となりました。

登壇した若手研究者とブラングウィン博士
在大阪・神戸米国総領事館広報部長による挨拶

本アワードは、優れた研究者を顕彰するのみならず、その知見に直接触れる機会を提供することで、新たな学術的挑戦を促す場として位置付けられています。今後も本取り組みを通じて、分野や国境を越えた学術交流を促進し、未来の科学を担う人材の育成に貢献していきます。

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