日時
2025年8月3日(日)
場所
附属図書館3階 共同研究室5
かつて喫茶店等で盛んに行われていた学生同士の議論を復活させ、「百万遍談議」として継続的に実施していきます。
授業ではありませんので、なにかこうしなければいけないという義務はなく、単に興味があるから参加して、人の話をきき、自分の考えを述べる。それだけです。
毎回のテーマに関して、あらかじめ知識が必要となるわけではありません。
唯一お願いするのは、毎回提示される「書物」あるいは「短文」を読んでくること。
また、「議論」はしますが、なにか結論を導こうとして話をするわけではありません。テキストを読んで思ったことを自由に話してもらえばいいわけで、もちろんその場で誰かの発言をきいて思いついたことを話しても結構です。
「人はこんなことを考えているんだ」ということを知るだけでも楽しいですし、さらには、自分の考えを人にきいてもらうことの楽しさも、大学生に与えられたある種の特権です。
気軽な気持ちで参加してください。
いろいろな人と人、人と言葉あるいは考えの出会いが生まれることを楽しみにしています。
今回は「雨の効用」というテーマについて、ともに考えてみたいと思います。
テキストは、下記の申し込みフォームに記載のリンクからダウンロードして読んでください。
テーマ・話題提供者
「雨の効用」数間俊哉(人間・環境学研究科修士課程)
世話人
宇佐美 文理(総合生存学館 特定教授)
対象
京都大学学部学生・大学院生(正規生)10名 ※学部生優先
使用言語
日本語
費用
無料
お申し込み
事前申し込み制のため、申し込みフォームよりお申し込みください。 受付終了
- 先着順 / 定員に達し次第、受付終了
- 当日参加不可
開催報告
- 参加者 : 5名
[内訳]
2回生1名(工学)
修士課程2名(文学・人環)
博士課程2名(文学・医学)
- 談議メモ
立秋を目前にした(しかしまだまだ暑い)八月のよく晴れたある日、附属図書館の三階に五名の学生が集まり、「雨の効用」と題するテキストを頼りに談議しました。話題提供者は、雨嫌いの数間俊哉氏(人間・環境学研究科)。
はじめに自己紹介。雨が好きか嫌いかを表明します。こんな雨が好き、あんな晴れは嫌い、など色々あるようです。雨の日の暗い夜明け、ザーザー降りの雨音、びっしょり濡れた靴下、といった感覚的な経験が次々に語られ、なんだか雨の日の気分になってきました。
建築を専攻する学生からは、建築において雨水を逃すこと、すなわち排水の重要性が説かれ、雨量の多少がもたらす地域差が紹介されました。雨という自然の大きな力に対して、小さな人間ができることは何でしょうか。最も簡単な対処法は、雨が上がるのを待つこと、つまり雨宿りでしょう。江戸時代の絵師、英一蝶はこの雨宿りの場面を好んで描きました。全ての人の頭上に等しく降る雨は、雨の下の人々を等しくします。大いなる自然の下に、様々な属性や階層の人々が一時的に等しく存在する。これも雨の効用と言えるでしょう。
記録:大谷弦(文学研究科)

出典:国立文化財機構所蔵品統合検索システム
お問い合わせ
総合研究推進本部 百万遍談議担当
E-Mail:kura-jinsha*mail2.adm.kyoto-u.ac.jp *を@に置き換えてください