京都大学総合研究推進本部

研究アイデア&チームづくり

京都大学発の雑誌『京大マガジン』

―出版を通じた研究者交流の基盤形成・研究推進事業―

『京大マガジン』は、京大の基本理念にある「研究の自由と自主」の思想を体現することをめざして京都大学総合研究推進本部が発行する、新しい雑誌です。雑誌制作から出版までの一連の企画を通じて、研究者同士の交流や、専門におさまらない探究を推進することを目的としてスタートしました。

本誌はミシマ社との共同により大学の内と外をつなぎ、知の交流回路を社会へも開くことで研究の多様性や潜在的可能性を可視化し、内外での対話をベースに研究を推進してまいります。

『京大マガジン』は雑誌制作だけでなく、今後もひとつの活動体として、さまざまな取り組みを展開していく予定です。

事業紹介

研究環境をめぐる課題

いま、大学を取り巻く環境は大きく変化しています。そのため、研究者の活動も多様化し、研究以外に割く時間が増大する傾向にあることで、同じ学内であっても横のつながりや共同性が希薄化しつつあります。そのような状態においては、専門を越えた研究の多様な価値や研究者の潜在的関心を深く掘り下げ、広く可視化していくことも容易ではありません。課題は、研究者がもっと長期的な視点でじっくりと自由に探究に取り組み、それを推進していくにはどうしたらよいか、ということにありました。

研究推進の基盤づくり

そこで、わたしたちはまず、上記のような状況を打開するための一つの取っ掛かりとして、雑誌制作を通じた研究者交流を企画してみてはどうか、と考えました。さらに、そのときに立ち返ったのが、本学の基本理念にある「研究の自由と自主」という思想です。その理念を体現することをめざすのであれば、分野を問わずさまざまな研究者の参画が可能になり、雑誌を「成果発表」の場ではなく「実験場」として位置づけることで、萌芽的で専門におさまらないような――一見、取るに足らないと思われるようなアイデアも含めて――多様な研究を後押しすることができるのではないか、と考えたのです。

知の交流回路を開く

本事業にとって雑誌は成果物であり、本来的な目的は、その制作過程で研究者同士が交流する仕掛けをつくり、専門におさまらない研究を推進しつつ、研究の多様性や潜在的可能性を社会に対しても可視化していくことにあります。雑誌を通じて学外にもこの試みを開く理由は、学内の価値観を超えて知の交流・対話を活性化するためです。そこで、わたしたちは同じ問題意識を共有し、同じ京都の地で活動する出版社のミシマ社と連携し、学内外の知の交流の回路を開く試みを「京大マガジン」として立ち上げました。

事業を育てる

雑誌『京大マガジン』は、紙で発行することにおいてこそ意味があります。紙であることで「実験場」は物として実現し、蓄積されます。そのうえ、隣人に手渡すという行為を通じて対話の場を拡張し、立場や学内外という枠を超えて、知を活性化しつつ循環させることができるからです。そのしくみによって研究者の多様な知的探究活動を後押しし、応援してくださる読者のみなさまと一緒にこの事業を育てていく。それがわたしたちのめざすところであり、ゆくゆくはこの試みが京大だけでなく、外へと染み出していくことで、社会全体の知の活性化につながることを願っています。

事業概要

概要

  • 知の細分化と共同性の希薄化
  • 研究の多様な価値の可視化の困難さ

目的

  • 雑誌制作を核とした一連の企画を通じ、研究者交流、専門におさまらない探究を推進するとともに、研究の多様性や潜在的可能性を一般に対しても可視化する

方法

  • 民間の出版社(ミシマ社)との共同により大学の内と外をつなぎ、内外の知の交流の回路を開く(対面、対話だけでない、雑誌を渡す、読む、刺激を受ける、批判するなどによる交流)

期待される効果

  • 内発的動機に基づいた研究の推進に資する交流機会の拡大
  • 研究者の多様な知的探究活動・研究シーズの可視化、それによるファン層・支援者の拡大
  • 研究の活性化、京都大学らしい骨太な学問の再興

年間計画(イメージ)

編集会議
トーク
イベント等
原稿収集
編集作業
レクチャー等
刊行
刊行記念
イベント

書籍情報

タイトル:

京大マガジン 0 号「失敗」

編・発行:

京都大学総合研究推進本部

装丁:

寄藤文平

価格:

1,650 円(税込)

発売日:

2026 年3月19日(木)

仕様:

A5 判並製 / 124 ページ

ISBN:

978-4-911226-31-5

発売元:

ミシマ社